2011/02/05

 

昨日からの続きです。一応、実験によって

「ZIP圧縮は音に影響しない」

という事が確認できました。


またネットで送受信しても問題なし。

というのも分かって一安心です。


しかし、ここでさらに理論的な裏付けというか、

本当にそうだよね?

と思える考察も付け加えておきたいなと思います。


でもその前に一言だけ。


こういう考察って

その迷信を信じている人達にとっては

気分の悪いものです。


いくら理論的に正しいからと言って、

鬼の首をとったかのように、しつこく説明したりすると

相手にはまるで


「お前が間違ってる」

「オレが正しいんだぞ」


と頭ごなしに言われるように感じるでしょう。


エンジニアの人も感性で作業している部分は当然あります。

ミックス時に、これから書くような事を延々語られたら

人によってはモチベーションが大きく下がってしまうかもしれません。


なので、タイミングを考えて話すようにしてください。


そういう苦い経験をもつ、僕からのお願いですw。




[可逆データ圧縮]

まずはZIP圧縮について調べてみましょう。


こういう時にWikipediaは便利ですね。

めちゃめちゃ詳しく書いてあるので、

ちょっと大事な部分を抜粋してきました。


現在の .ZIP ファイルフォーマット仕様では次のメソッドの詳細が記載されている。

stored (無圧縮), Shrunk, Reduced (メソッド 1-4), Imploded, Tokenizing, Deflated,

Deflate64, BZIP2, LZMA (EFS), WavPack, PPMd 。

最も一般的な圧縮メソッドは DEFLATE で IETF RFC 1951 に記載されている。


つまり、ZIP圧縮では一般的にDeflateという、

圧縮アルゴリズムを使用しています。


このDeflateも重要な部分を抜粋してみましょう。


Deflate(デフレート)とはLZ77とハフマン符号化を組み合わせた可逆データ

圧縮アルゴリズム。フィル・カッツが開発した圧縮ツールPKZIPのバージョン2で

使われていた。

ZIPやgzipなどで使われている。1996年5月に RFC 1951 としてドキュメント化された。 


特徴

可逆圧縮

圧縮は比較的高速、伸長(元に戻すこと/展開)は非常に高速

インターネットで広く使われている圧縮形式

パテントフリー(保証されているわけではないが、特許にかかわる

アルゴリズムは一切使用されていないと考えられている)

日本で考案されたLHAとほぼ同じアルゴリズムを使う。



ここで重要なのは


「可逆データ圧縮アルゴリズム」


という点ですね。


ご存知の方も多いでしょうが、WAVやAIFをmp3やAACなどに

変換するのは「非可逆圧縮」といって、その逆は音が変わってしまいます。



↑これが非可逆圧縮ね。



でも「可逆データ圧縮アルゴリズム」というのは

完全に元の形に復元できる方式だという事です。




[ファイルタイプと圧縮アルゴリズム]

さらに僕が調べたのは、ZIP圧縮というものが


「ファイルの種類によって圧縮アルゴリズムを

 変えるかどうか?」


という点です。


これは言い換えれば、ZIP圧縮解凍プログラムが


「お、これは.exeかあ、じゃあ1ビットたりとも

 変えちゃいけないな」


とか


「あ、こいつはオーディオファイルね、

 じゃあ、適当に圧縮すれば良いや」


なんて、やってたらどうしよう?!、

と思ったわけですw。


しかし、僕が検索した限り、このような事をする

ZIP圧縮メソッドというのは存在しませんでした。


つまり、プログラムファイル、画像データ、

オーディオファイルなど、どれでも同じ方式で

可逆圧縮をしている事になります。


これでますます「ZIP圧縮で音が変わる」という噂が、

都市伝説のようなものだと言えるのではないでしょうか。

だって、


ZIP圧縮したらプログラムファイルにバグが現れた!


とか


画像データをZIP圧縮したら特定の部分が赤っぽくなった!


なんて聞いた事無いですよね(^^;)。

それだけZIPというのは信頼できる可逆圧縮ということです。


たまーにそういう事ありますけどね、それはHDDやメモリが

おかしくなってた、とかハードウェアの不良によるものでしょう。

これはZIPだけでなく、全てのデータ移行でつきまとう不安要素です。

コレ言い出したら、何もできなくなっちゃいますし。


てな感じで、明日で結論つけます。

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Kei Kusama

 

ZIP圧縮で変わる? 2

 
 

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